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アメリカではファーストレディーのミッシェル・オバマさんがホワイトハウスの芝生を家庭菜園にチェンジしたことが大きなニュースとなった。ミッシェル夫人に言わせれば、「土に親しむことは自然の恵みに感謝することに繋がる。安心して食べられる野菜や果物を自分たちの手で育てることの重要性を多くのアメリカ人や世界の人びとに理解して欲しい。これからは、ホワイトハウスで出す料理は極力この家庭菜園で育てた食材を使いたい」。自給自足というより、地産地消をホワイトハウスから始めようという意気込みだ。
しかも有機栽培にこだわりを見せており、化学肥料や除草剤を使わず健康に配慮した安全な野菜を育てようという考えを強調している。この家庭菜園には55種類の野菜の種が植えられたというからなかなか本格的である。すべて有機農法で育てるとのこと。アメリカ人の間に広まる健康指向を追い風に、しかも景気が悪化し職を失い食事にも事欠く人々が増えている中、自給自足運動を推し進めようとしているわけだ。
1929年にアメリカを襲った大恐慌の時にも当時のファーストレディーだったエレノア・ルーズベルト夫人も同じような試みで国民を元気づけたものである。今回はミッシェル夫人が先頭を切り有機栽培を実践している。ところが、意外なところからこのホワイトハウスにおけるビクトリーガーデンを敵視する弾が飛んできた。それはモンサントに代表される大手種子メーカーからの反発である。
世界最大のアグリビジネスと見なされるモンサントやカーギル、ADMなどはこぞって有機栽培は手間がかかる上に、収穫が不安定だとして、ホワイトハウスが誤ったメッセージを発信していることに危惧の念をあらわにしている。彼らによれば、「化学肥料や除草剤を適度に使うことにより、品質や収穫量が改善できる」と言う訳だ。
実はモンサントはクリントン元大統領夫妻にとっては最大のスポンサー筋であった。ヒラリー・クリントン氏がアーカンソーでローズ法律事務所に勤めていた頃、彼女が担当した顧客でもあった。それ以来、今日に至るまでモンサントは一貫して遺伝子組換え作物の普及に努めている。
そのため、クリントン元大統領に対しても現在のヒラリー・クリントン国務長官に対しても様々なルートを通じて、遺伝子組換え作物への協力を求めている。ミッシェル夫人が進める有機栽培とは真正面から激突することになるのは避けられそうにない。いわば、元ファーストレディーのヒラリー夫人と現ファーストレディーのミッシェル夫人の間で激しい水面下の戦いが演じられていると言っても過言ではない。
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